200612日韓共演平和ミュージカル公演によせて

イ・ヒジャさんより

推薦の言葉

 太平洋戦争が終わって60年あまり経ちました。

 戦争の犠牲になるのはいつでも国民。

 戦場にかり出されて亡くなった人、幸いにも生きて帰ってきた人、大切な家族と引き離されて、その死に耐えながら悲しみの歳月を過ごしてきた遺族――戦争の傷跡は様々な形で今もなお被害者を苦しめています。

 私の父は私が生後13か月のときに日本軍に徴用されて中国で戦病死しました。

 父は靖国神社に合祀されています。

 それも戦争が終わって
10年以上たった1956年に、遺族には何も知らされないまま。

 合祀について靖国神社は日本のために死んだ英霊として祀っているのだと言います。日本のために命を捧げた人たちを神として称えているのだと。

 しかし、そこには戦場に引っ張られていった父や兄、息子の生死を知るすべもなく胸を締めつけられる思いでひたすら待ち続けた遺族への思いやりは少しも感じられません。

 亡くなった人と最も近い関係の遺族がそれを望んでいない、それどころか、今すぐにでも取り消してほしいと言っているのに、あえて合祀を強制する理由はいったいなんなのでしょうか。

靖国神社は植民地に関連する戦争の産物。

 戦争責任を認めようとしない日本でその存在は実に多くの問題を抱えています。

 私たちは今あらたに靖国神社を相手に裁判を起こす準備をしていますが、これは単なる戦争被害者の訴えに留まるものではありません。

 大事な家族を奪われて死んでもなお靖国神社に抑留されている魂を取り戻すための、人として生きる者なら誰もが願う「家族の幸せ」を守る闘いです。

 今回の日韓共同公演「希望の歌」のテーマには靖国合祀についても盛り込まれています。

 韓日関係は政治的にはうまくいっているとは言えませんが、今回の公演のように、芸術を通して民衆にメッセージを発信することの意味は大きいと思います。

 韓日の製作陣と演技者が多くの山を乗り越えて完成させたミュージカルはきっと見る人の胸を打つことでしょう。

 多くの方に観ていただき、今を生きる私たちが東アジアの平和のためにできることは何かを考えるきっかけになることを願っています。