「月桃の花」歌舞団平和ミュージカル
「ワーキングプア 希望宣言!」
あらすじ

健太(25歳)は、人材サービス会社「バッドウィルグループ」から派遣されて通所介護事業所「コムさん」で働いている。

認知症の老人、清(84歳)を介護する日々だ。

同じ職場には、シングルマザーの由美子(45歳)やフィリピン人のレベッカ(24歳)がいる。

彼女たちは、「登録ヘルパー」と呼ばれる低賃金の非正規労働者だ。


ある日、レベッカが担当する老女が、転倒して頭部を骨折してしまう。

仕事を干され自分の責任だと落ち込み悩むレベッカを、健太は裕子(24歳)と誠(35歳)に会わせる。

彼らはイラク戦争反対のピースウォークを歩いていて出会った仲間で、やはり派遣労働者だった。


「その『かけもち介護』がはびこっている現場のほうがずっとコワいよ」と言う裕子だが、その右足には大きなギブスをはめて松葉杖をついている。

「ああ、これ?派遣先で事故っちゃったの。でも、その後がまたひどいんだよ!・・」と、裕子が語り出した製造業の派遣労働現場のすさまじさに、健太たちは絶句する。

「何とかならないのか!」「う〜ん、労働組合って作れないのか?」とつぶやく健太に、「いいじゃん!ユニオンやろうぜ!」と暴走気味の裕子。

「じゃあ、それは俺の仕事だ」と立ち上がった誠は、今はネットカフェ難民化しているがかつて正社員でしかも「労働組合員」だったという謎めいた男だ。

へっぴり腰で船出した非正規の若者労働者のユニオンは、予想を裏切って快進撃を続ける。

が、しかし、やがて大きな壁にぶち当たる。

「コムさん」が日本人ヘルパーよりずっと安い賃金で働く外国人ヘルパーをどんどん導入するという計画を打ち出したのだ。


そして、日本人ヘルパーの時給は次々と下げられていく。「外国人ヘルパー反対!」「そういう問題じゃないだろ!」ユニオンの仲間たちの間でも意見対立、喧々囂々、トゥーヌーマーヌー。

そんなところへ「誠さんが公園で餓死している!」と急報が入る。大混乱する仲間たち。

息せき切って公園に駆けつけた仲間たちの後ろには、どこからやって来たのか清が裸足でぽつんと立っているではないか。

誠と恋仲になっていたレベッカが「故郷のルソン島に一緒に帰ろうって約束したのに・・」と泣く。

それを聞いたとたん清は、「陸軍一等兵、新城清、ルソン島バギオより帰還いたしました!」と叫ぶ。


想像を絶する物語がここから始まる。